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美術手帖vol.67 NO.1017 建てない建築家とつなぎ直す未来 美術出版社

TSUKASA WATANABE

この手の活動に興味がある。ただし地域再生や活性化といったキーワードには惹かれるのだが、まちづくり、ワークショップ、コミュニティ、ふれあいといった人情系に偏った方向に行くと共感できない。そもそも人付き合いが下手な性格ゆえかもしれないが、何故だろう。隣に住む方や愛犬の散歩でよく見かける人と挨拶はするが立ち止まって話をするほどではない。この町に引越してきて2年近くなるが友達はできていない。単純に便利で家賃が安いので選んだ町。大都会と小さな集落の中間的な「実感を伴って関われる規模」にコミュニティを見出すような特集記事もあったが果たして人間関係だけが全てなのであろうか。都会も田舎にも歴史や自然といった魅力的なソースが沢山ある。ボストンとロスでは誰も知り合いが居なくても感じられるものは違うはず。同様に川越と羽生でも違う。かといって谷川岳と剣岳の違いが判っていないから、やっぱり住人や商人からの影響は大きいのだろうが。特定のふれあいが無く、コミュニティに参加していなくても街に対して魅力を共有することはできる気がする。良く言えば誇り、悪く言えば見栄と言うのか。麻布や青山の住人は近所付き合いのない新参者でも街を愛しているはず。すべての街に当てはまるわけではない。差があって当然。昔のただの個人邸が観光名所になることもあるので、無理に人情でまちづくりを急ぐことは無い。

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