top of page
検索

わかりやすさ

TSUKASA WATANABE

熊本で見てきた2つの建築は知り尽くした建築思想家が市民に伝えた建築の奥義であろう。ひとつは篠原一男の熊本北警察署。楠の美しい並木や白川公園に面しているからか思っていたよりも逆ピラミッド型のファサードが小さく感じられた。と同時に楠がミラーガラスにそっくり木型に映りこんで見えたので奇抜に感じていたデザインにおもわず納得してしまった。おまけに駐車場により十分な引きがとられているため被写体と虚像というのか表と裏というのか、何かいろいろなことが瞬時に浮かんでしまった。もうひとつの建築は木島安史の日本キリスト教団熊本草場町教会。趣きのある通りにそっぽ向くように(本当はエルサレム)傾いた金色の十字架を潜り抜け、牧師に案内されながら部屋の角から室内入ると対角の祭壇がこちらを向いていた。ハイサイドの光や打ち放しのコンクリートにより弔いの場というよりも生身を感じさせた。限られた要素をわかりやすく、かつ最大限に利用した好例たちである。


閲覧数:2回0件のコメント

最新記事

すべて表示

熊本

震災後はじめて訪れた。一見あまり変わっていないので安心したが、それゆえ問題が深刻なことに後に気づかされる。福岡から新幹線で熊本に入り熊本城前でストリートカーを降りる。GW中のため観光客が多く破損した天守や崩れ落ちた石垣を挙って写真を撮っていた。遺構を愛でる欧米人的で嫌な感じ...

新年度

ある方の新年度の挨拶がとても良かった。今年度の僕の目標にも据えようと考えている。3つの目標を掲げていた。1つめは現状でのベストを尽くすこと。小学校でも言われそうな言葉かもしれないが奥深く忘れがち。施主は何を求めているのか、設計者はどのような方法を考えたのか。知識や経験が増し...

学生の住宅課題の展示を見てきた。一見して妹島さんや藤本さんのような形態が目立った。プレゼンシートを読んだわけではないので早合点かもしれないが小さなボリュームが分棟形式でランダムに並んだり、積層されたり、もしくは緩やかなカーブをしたワンボリュームであったり。どれこもれも何とな...

תגובות


ニュースレター配信中

ご登録ありがとうございます。

© 2023 ソルト & ペッパー Wix.comを使って作成されました

bottom of page