この本との出会いはローレンス・ハルプリンとの出会いでもあった。卒業設計製作中に板屋リョクさんに紹介してもらったと記憶している。すでに絶版で手に入りにくく大学図書館で全コピーした。 当時大学図書館で全コピーするのにはまっていてADA版のコルビュジエ全集もせっせと複写した。お手製で製本しているので何度も修繕していまだに使っている。ハルプリンは偉大な計画者でありながら素晴らしいデザイナーでもある。またスケッチも良い。僕はもともと線の多いスケッチを好んでしていたので美術の授業では直されたが、ハルプリンのスケッチを見てからはわが道を行くと心に決めた。シーランチやニコレットモールの計画はあまりにも有名であるが、駄作は少ない。最近、ルーズベルトメモリアルのプロジェクトブックを洋書で購入したが、水の扱いが恐ろしくうまい。マルモ出版の「ランドスケープデザイン」で現在連載中なので一般人気もあるのだろうが、その割には関連する本や作品集が少ないのは残念である。詳細な作品紹介とインタビュー、ハルプリンの小論で構成されたこの特集誌はハルプリンを知るのに唯一無二の傑作である。しかし張清獄、二川幸夫、植田実といったエディタたちが残した数々の作品はまさに偉業である。
PROCESS Architecture NO.4 ローレンス・ハルプリン プロセスアーキテクチュア
TSUKASA WATANABE
Comments