震災後はじめて訪れた。一見あまり変わっていないので安心したが、それゆえ問題が深刻なことに後に気づかされる。福岡から新幹線で熊本に入り熊本城前でストリートカーを降りる。GW中のため観光客が多く破損した天守や崩れ落ちた石垣を挙って写真を撮っていた。遺構を愛でる欧米人的で嫌な感じをした。その後施主にお会いし、本震後手付かずのお宅を拝見する。フレームは健全であるが給水管の破裂で避難先から一時帰宅した際は水浸しだったと言う。再建の道を一緒に探っていきたい。震災瞬間の話も壮絶であったが、震災後の今の状況を伺うと人間性が出るので興味深かった。日頃から無意識に備蓄の習慣があったため冷静でいられたようであるが周りの人はボランティアや店員に暴言を吐いたりゾンビのようにスーパーに押し寄せたと聞く。道路に置かれたゴミにもブラウン管テレビがあったりしてとても寂しい。駅まで送っていただく車中、延岡からやってきた回収車を見かける。好意に便乗してはいけない、と強く思った。
熊本
TSUKASA WATANABE
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