学生の住宅課題の展示を見てきた。一見して妹島さんや藤本さんのような形態が目立った。プレゼンシートを読んだわけではないので早合点かもしれないが小さなボリュームが分棟形式でランダムに並んだり、積層されたり、もしくは緩やかなカーブをしたワンボリュームであったり。どれこもれも何となく同じように映った。ある意味、学生は時代を映す鏡。戦争前後は当然コルビュジエ、70年代であれば菊竹さんや黒川さん系かカーンやスターリング系、80年代であればロジャースやフォスター、90年代はレム。2000年代は伊東さん、H&deM。10年代は妹島さん、隈さん。展示されていた集住という課題は建築の中でも特に基本単位が学生にも身近で把握しやすいため全体の形態操作に重点が行きがちである。ホワイトキューブであればポツ窓がランダムに開けられる。分棟であれば大小のボリュームがずれて並ぶ。傾斜した屋根を選ぶといつも素材感が並走してくる。それでも妹島さんたちの建築は新しい。真似た他人の作品には抜かれないオリジナリティがある。吉田鉄郎の「日本の」三部作を読んでいる最中だが自然に寄り添う建築とは日本に古来からあるものなので発想の原点に差があるのではない。ちょっとした閃きや気付きだけではなく如何に形に落ち着くか、がとても重要なのだろう。
家
TSUKASA WATANABE
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